災害対策特別委員会 1号 2008-09-12
質問要旨
1. 春日部市の首都圏外郭放水路について(8月豪雨時の状況)
2. 8月末豪雨による鷲宮町の浸水被害について
3. 中央防災会議試算について
4. 地元建設業者について災害復旧への貢献とそれに対する配慮
5. 地域住民への緊急情報の伝達について
6. 災害時の要支援者の把握と個人情報保護について。また福祉避難所の整備について
7. 都市における浸水特性を踏まえた浸水対策を推進すべきと考えるが如何。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
まず初めに、私からも、今回の地震及び大雨によって犠牲になられた方々に対しまして御冥福をお祈り申し上げたい、そして被災された方々に対しましても心よりお見舞い申し上げたいと思います。
今日は、まず初めに、8月末豪雨の件につきましてお聞きしたいと思います。
私の地元は埼玉でございますけれども、埼玉の中でも今回の豪雨で大変に大きな被害が一番あったのは春日部市でございました。この春日部市では、床上浸水43棟、また床下で1,219、冠水道路は15と、こういう被害に遭ったわけであります。
しかし、この春日部市は、御存じのとおり、一昨年の6月に国の直轄事業として首都圏の外郭放水路という大変巨大な放水路が既にでき上がっておりまして、その後こうした浸水被害というものは大変に少なくなったというふうに地元では喜んでいたわけでありますが、今回の集中豪雨におきましては再びこうした被害に遭ってしまったわけであります。
この首都圏外郭放水路、今回も東京ドームで7杯分の水処理を行ったわけでありますけれども、それでも間に合わず浸水被害になってしまったと。こうした大変に巨大な放水路があったにもかかわらずこうした被害になってしまったということで、地元でも大変に今後について心配をしているということでございます。
なぜこれだけの首都圏外郭放水路、一昨年にできたばかりですので、決して集中豪雨、局地的な集中豪雨は今年初めて起きたわけではありませんので、そういう背景の下ででき上がった放水路があったにもかかわらず今回こうした被害になってしまったのか、その辺の要因等をどう分析されているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(甲村謙友君) 8月末の豪雨によります春日部市内の浸水被害と今後の対応についてでございます。
この春日部市でございますが、中川流域の中心部に当たりまして、非常に低い土地で、従前から浸水常襲地帯であったわけでございますが、抜本的対策として首都圏外郭放水路を整備いたしまして、平成14年6月から部分通水を開始しているところでございます。
今回の浸水までは浸水被害、激減しておったわけでございますが、今回の雨を見ますと、春日部市で時間雨量93ミリ等を記録しております。その豪雨を受けまして、首都圏外郭放水路では、議員御指摘のように、約1,170万立方メートルを江戸川に排水したわけでございますけれども、首都圏外郭放水路に雨が到達するまでの間に道路の側溝だとか下水管がのみ切れなくて、それがあふれて市内が浸水したと春日部市から聞いております。
今後の対応でございますけれども、河川の改修を進めるとともに、下水道の整備、それから流域での貯留浸透の事業を進めまして、降った雨が各地で被害なくためられる、さらにはスムーズに首都圏外郭放水路まで到達して江戸川にはけると、そういうことを進めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 やはり、今御指摘いただいたとおり、地域全体で雨水をゆっくり流していくという仕組みに全体として変えていかないと大変なことになるというふうに私も思うわけでありまして、先ほどどなたかの御質問でもございましたが、雨水の貯留浸透施設ということを、河川改修事業というのが一番まずやらなきゃならない、ここでも、会之堀川でしたっけ、まだ改修工事が途中のものもございますけれども、それと並行して雨水の貯留浸透施設をしっかり整備していくということが大事ではないかと思うんですね。その中で特に、市民みんなが取り組むことができる雨水の貯留あるいは浸透利用を段階的に進めていくということが、トータルでコストも安上がりで、しかもこうした被害を少しでも減らすことができることにつながるんではないかと、こういうふうに思います。
これは個人レベルでも設置が可能なわけでありまして、先ほど御指摘があったように新築・増築時に施設設置を義務付けている自治体もあり、そこに対して国も支援をしているということがお話ありました。しかし、これは今20年度で40市町村と先ほどおっしゃったでしょうか、まだまだ整備が進んでいない。こうした貯留浸透施設を個人レベルでもしっかりと設置をしていく、こういうふうにしていく必要があると思っておりまして、であればやはりここは、自治体で手を挙げたところに国が併せて補助をするということの仕組みですけれども、国の支援をもっと厚くしてこうした貯留浸透施設を、比較的安価に個人レベルでも設置できるということでありますので、これを促していくということも必要ではないかと、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。
以前にも委員から御質問をいただいたかと思います。
昔は、都市化が進みますと雨が地中に浸透しなくなって洪水を起こすということで、河川の改修と併せて流域での貯留浸透を行うということを総合治水としてやってきてまいりました。昨今の状況を見ますと、今度は逆に、都市化は余り進んでおりませんけれども、雨が、ゲリラ豪雨がどっと降ってくるということで、それに対して対策をどうするかといいますと、やはり河川の改修を進めるということと併せて流域での貯留浸透、これが都市だけではなく全国的に必要になってくると考えております。
それで、流域での貯留浸透の制度でございますが、公共団体がなされる公園等の貯留につきましては補助制度もございますし、また各戸の貯留は、午前中お答えしたように下水道の方で補助する制度もございます。ただし、先ほど申しましたように、今後は局地的豪雨等を考えますと全国的にそういうのが必要となると考えておりますので、そういう流域での貯留浸透を更に促進できるような仕組みを考えてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 是非、その際には、先ほど私が申し上げた個人レベルでも設置が可能なこの貯留浸透施設に対する国からの支援ということも厚くすることで、そもそも生活用水は上水道で排水が下水道という中で、雨水をためて利用しようというような意識がまだまだ足りないし、また雨水浸透施設そのものに対する関心度も一般住民の間ではなかなかまだまだ低いと思いますので、そうした意識を喚起するためにも国からの支援というものもまた必要になってくるんではないかというふうに私自身は思っております。
同時に、この8月末豪雨で、鷲宮町というところが埼玉にございまして、ここも大変な雨量で、床上浸水、床下浸水の被害、また道路冠水も大変大きくございました。この地域は春日部とも似ておりますけれども、大変に低地ということもあります。また、都市化の影響もありまして、この浸水・冠水対策は長年の課題になっております。
特に地元で言っているのはやはり河川の改修、特に県管ですけれども一級河川の青毛堀川というのがありまして、この改修整備というのがどうしても必要だと、こういう声が多うございました。この事業自体は昭和55年から始まっているということで、もう30年近くたっていますけれどもいまだにでき上がっておりませんで、橋がたくさんあるということも影響しているのか、なかなかこの改修工事が進まない。そういう間にこうした気象の変動ということもありまして、被害が大変に大きくなっております。
河川改修ということはお金も掛かるので大変なことはよく分かりますけれども、しかし、かといってそのままにしておけばこうしたゲリラ豪雨が今後も襲ってきたときに常におびえていなきゃいけないということにもなってしまうわけでありまして、こうしたことを防ぐために、減災のための代替対策というのは何かお考えがあるんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(甲村謙友君) お答え申し上げます。
鷲宮町を流れる青毛堀川でございます。委員御指摘のように昭和55年度から着手しておりまして、延長6.3キロを改修する予定でございますが、現在まで下流から約2.2キロしかできておりません。その促進のネックとなっておりますのは、区間に20の橋梁がございまして、その架け替えにいろいろ調整を要するということでございます。それではなかなか効果が発揮されないということで、昭和63年から改修計画の6.3キロの更に上流に花崎遊水地というのを整備に着手いたしました。今回の雨でその花崎遊水地、ほぼ完成状態にありまして、約90万立方メートルの水をためたということでございます。
そのために、青毛堀川からは今回の洪水では水はあふれておりませんが、先ほどの春日部市と同様の状況で、川に入る前に道路の側溝だとか土地の低いところで水がたまっているというような状況でございました。
今後の対策でございますけれども、そういう雨水の貯留浸透、さらには低いところからの内水排除施設の整備等を鷲宮町と埼玉県と連携して推進していくと聞いております。
○西田実仁君 花崎多目的遊水地のお話がございました。これができ上がることによって、そうすると今後こうしたゲリラ的な豪雨が襲ったとき、再び襲ったときも被害は少なくなると、こう考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(甲村謙友君) 花崎多目的遊水地で効果がございます。それは川からあふれないようにする効果でございます。それとともに、川に入る前にあふれてしまう内水ですね、それにつきましては、流域での貯留浸透、それから下水道等の内水排除、それも併せて必要と考えております。
○西田実仁君 次に、中央防災会議が先般発表しました試算につきましてお聞きしたいと思います。
専門調査会で先ごろ発表されました資料によりますと、超大型台風で荒川が決壊した場合には死者が最悪3500人になると。これは墨田区の荒川右岸が決壊し、ポンプ場が稼働せず、住民の避難率がゼロと、こういう想定であります。被災者数が最も多いのは埼玉県の川口市の荒川左岸が決壊した場合でありまして、さいたま市緑区というところがございますけれども、その浸水が最大6メートルになる。ポンプ場が稼働しないと24時間後には116万人が影響を受け、浸水は一週間続くと、こういう試算が出ております。
そもそもこうした被害想定は、今年、同様3月に行った200年に一度の確率で起きる洪水による利根川の被害想定とは異なり、1000年に一度クラスの災害を前提にした被害想定とお聞きしております。なぜそうした想定をお変えになったのか。また、200年に一度から1000年に一度というふうな被害想定を置くということは、それに対して対応するということが当然あるからこそ想定を変えて試算されたんだろうと思いますので、そうしたことに対応する予算対応も視野に入っているのか、ここの二点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 大規模な水害発生時の危機管理対策の対象として、欧米では500年に一度やまた1000年に一度などの発生確率の洪水を考慮している国が少なくないわけでございまして、そこで、今御指摘の利根川等の河川の整備目標である200年に一度の発生確率の洪水だけではなくて、それを超える1000年に一度の発生確率の洪水を対象とした被害想定を行ったところでございます。
中央防災会議の専門調査会におきまして大規模水害に対して取るべき対応策の内容を検討していくこととしておるわけでございますが、具体策の実施につきましては関係省庁と連携して進めてまいりたいと、このように考えております。
○西田実仁君 報道ではその被害想定の数字だけが大変に大きく報道されまして、そこに住んでいる人にとってみれば、大変に危険だということはよく分かりますけれども、危機をあおられているだけではどうしようもないし、まあこんなにだったらどうせもうしようがないとあきらめることがあってもこれはいけないことでありまして、政治としてあるいは政府としても、こういう被害想定を変えて発表をして対応していくという何らかのメッセージをきちっと出していかないと、不安だけでこれはかえって良くないんじゃないかというふうにすら思うわけですけれども。
具体的に今、今後連携してやっていくというお話なんですけれども、まあ大臣としての決意で結構ですけれども、その不安を安心に変えていくことをきちっとやると、こういうメッセージを発していただけませんでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) 先生御指摘のとおりでございまして、ただ単に不安をあおるだけとか、そういうことじゃなくて、現実的に、一つは、やはり水害は怖いといろいろ意識していただくということと同時に、関係省庁、いろいろな角度から連携しながら現実的な対応も含めて進めていきたいというふうに考えておるわけでありまして、大規模水害対策に関する専門調査会においての検討をさせながら、その上で対応方があればというふうに連携を取りたいと思っております。
○西田実仁君 この不安を安心というところまでいかないにしても、少しでも不安をなくしていくために、具体的にはやはり避難率を向上させることが当然人的被害を大幅に減らすことになります。先ほどの被害想定でも、避難率がゼロの場合ということで最大何人ぐらいという想定だと思います。
したがって、今後、この避難率を高めていくということを一つの大きな柱にしていく必要があると思いますが、この避難率を高めるための方策、現状で結構ですけれども、どんなことをお考えになっているのか、内閣府にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 避難率を高めるということは大変大事なことだと思っておりまして、今、中央防災会議の大規模水害対策専門調査会において検討を行っているわけでありますけれども、その一つとしてハザードマップの作成、これをまた周知させること、住んでいる場所の水害に対する危険性と災害時の避難場所などを住民がよく認識してもらうということが一点。二点目は、避難勧告、避難指示などの判断を適切なタイミングで行うことと同時に、これらの情報を含めた防災情報を様々な手段を用いて住民に的確に伝えること、これが重要だろうというふうに考えておるところでございます。
○西田実仁君 確かに、このハザードマップはなかなかまだ整備が十分に進んでいない。また、私自身は埼玉県の所沢市に住んでおりますけど、このハザードマップを見てどこが避難地かというのは分かりますけど、しかしそこまで行く間にかなり危険だなと、私が住んでいるところが川のすぐそばなもんですからなおさら思うわけですが、そのときにどうするのかということが何にも書いてないものですから、まあかなりきめ細かくやらないと実際に役に立つのは難しいんだなというようなことを感じるわけであります。
この避難率を高めるということのために、今具体的に幾つか御例示いただきましたけれども、ここを是非各府省、各部署と連携も取っていただきながら総合的な対策を出していただきたいというふうに思います。
次に、地域における災害対応力という問題でございます。
私も地元埼玉で様々な建設業者の方々とお話しする機会がございますが、その際に最近よく言われることは、今は大変に建設業界も経営が厳しい、景気も悪化していると。倒産件数も前年同月比でもう8か月前年を上回っているという状態でございますし、負債総額も大変に、3倍ぐらいに8月は増えております。これは地元の地域の建設業者が大きく倒産していることが影響していると思います。
そういう背景があるせいでしょうか、そうした災害時に防災協定等を結んで御協力いただいている地元の建設業者の方々から、そういう協定を脱退したと、もうやらないという声も実際私も聞いております。また、全国知事会が調べました公共調達に関するプロジェクトチームによる調査結果によりますと、経営が厳しいということもあって、そうした建設業者の方々が経費やコストを削減するために災害復旧など非常時用の資機材を持たない、もう持つのをやめた、こういう建設会社が4割もいたという調査がこの全国知事会、全国を調べたわけではございません、幾つかの県をピックアップして調査をしたようでありますけれども、そういう回答があったと。
これ、やはり地域における災害対応力ということを考えたときの大きな問題に、今後ネックになっていくんじゃないか、また既になっているんではないかというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか、国土交通省。
○副大臣(金子恭之君) 西田委員御指摘のように、被災箇所における土砂の撤去とかあるいは土のうの仮積みといった緊急復旧作業など、災害時におきまして、現場に一番近い、また現場をよく知っていらっしゃる地元の建設業者が地域社会に果たす役割は非常に大きいものと認識しております。
このような状況にかんがみまして、国土交通省におきましては、公共工事の総合評価落札方式が本格的に導入された平成17年度より、国又は地方公共団体との災害協定の締結とか、災害活動実績に対する地元建設業者の地域への貢献を適切に評価しているところでございまして、現在、西田委員の御地元、関東地方整備局を始めとして、すべての地方整備局においてこのような評価を実施しているところでございまして、非常に地方の疲弊という状況の中で、今後も地元建設業者が、このような貢献を基に公共工事の品質の確保とかあるいは安全で安心な地域社会の形成に資することにかんがみまして、地元の建設業者がきちんと事業ができるように、あるいは日ごろの活動が評価していただけるように適切に対応してまいりたいと思います。
○西田実仁君 そうした地域貢献ということをより加味していくための総合評価方式、特に簡易型ということが市町村等では多いと思いますけれども、こうした簡易型の総合評価方式まだまだ普及していないと思いますね。これが、国の力、国の後押しとして何らかの形でやっぱり示していく必要があるんじゃないか。特にこうした地域の災害対応力ということも考えて、災害復旧時に貢献している地元企業ということがその加点が増えるようにすることが地域の防災力を高めていくということにも私はつながるんではないか。
もう現実に、今申し上げたとおり大変な厳しい状況の中で、災害時には待機していたり、人を配置してですね、また資機材もずっと抱えているということがもうできなくなっている、そういう業者の方が現実に足下で4割も出てきていると、こういう問題。もちろん一方で、公共事業を適切に、価格も含めて、執行していくということも必要です。しかし、地元でこうした貢献をしているということをもうちょっとしっかり勘案をしていかないと、結局は最後、そこに住んでいる住民の人たちに被害がより大きくなってしまうと、こういうふうに私は思うわけでありまして、ここはやはり、簡易型であれ、総合評価方式ということをもっと普及させていくために、また災害復旧に貢献している地元企業への配慮をきちっとしていくということが国としても後押しをすべきではないかというふうに更に強く思います。
わざわざ来ていただきましたので、副大臣、もう一言御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(金子恭之君) もう西田委員のおっしゃるとおりで、やはり災害が起きたときに迅速な行動というのが一番必要だと思います。また、その地域の地形とかそういったものを熟知されている方というのは適切な工事もやっていただけると思います。
そういう意味で、地元の建設業者の方々に対して日ごろの活動が評価できるように、今言われたようなことを含めて努力してまいりたいと思います。
○西田実仁君 次は、緊急情報を住民に伝達する仕組みということについてお聞きしたいと思います。午前中からこの問題もう出ておりましたが、若干触れさせていただきたいと思います。
この55年ぶりにはんらんした浅野川、またこれは、石川県の河川情報システムそのものは、市街地で浸水が発生する前、湯涌温泉近くの浅野川の水位が堤防の高さを超えているデータ自体は収集しておられたとしております。水位自体はリアルタイムでホームページで確認ができる。しかし、それを住民に広報するシステムというものが十分ではなかったと。また、神戸市におきます児童ら5人が犠牲になられました。ここも監視カメラは設置しておりましたし、携帯電話を通じて河川状況を見ることもできたわけであります。しかし、そうした緊急情報を住民に伝える仕組みが十分でなかったということで、二つお聞きしたいと思います。
一つは、気象情報と直結した警報システム、これを早急にやはり整備していく必要があるのではないか。そして、もう一つは、突発の都市災害を防いでいくためにも、水害からの避難、防護、また救助対策の各段階における防災担当部署のスピードアップということが必要になってくるのではないかと。そうした体制の整備について、今後検討していくあるいは現在検討されていることがあれば教えていただきたい。この二点について、内閣府でしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(林幹雄君) 先生御指摘の点は大変重要な点だと認識しておりまして、それに関しまして提言二つありましたけれども、その提言も含めて今、災害時の要援護者避難支援対策及び情報伝達に関する推進会議というのを進めているわけでありますけれども、省庁横断的にこの指導をしながら、先生の提言も検討させながら進めてまいりたいと、このように思っております。
○西田実仁君 最後に、災害時要援護者の問題。
先ほど森委員からも既にありましたので重なるところは質問いたしませんが、先般、地元でお隣の並木政務官も御一緒に御要望をお聞きした会合がございました。そこで、障害者団体の方々からの御要望では、ひとつやはり福祉避難所というのをもっと整備してもらいたいという声が大変強うございました。
現実に、避難所に行っても、様々な障害を抱えておられる方々は健常者とはやはり異なるわけでございますので、こうした福祉避難所ということをもっと整備していくためにはどんな手当てが必要なのか。そもそも、まずその現状と、そしてこの整備を加速していくための手だてとしてどのようなことをお考えなのか、関係の、厚生労働省でしょうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(坂本森男君) 福祉避難所につきましてお答えを申し上げます。
高齢者や障害者などの特別な配慮を必要とする方の受け入れる避難所ということで、災害救助法が適用された場合に、おおむね10人の対象者に一人の介助員等を配置するための費用など、必要な経費について国が支援することとなっておりまして、高齢者等への避難所として有効な施策であると考えております。
このため、厚生労働省といたしましては、今年の6月に福祉避難所設置・運営に関するガイドラインというのを作成いたしました。都道府県の応急救助業務担当者を集めました全国会議を開催いたしまして、その活用を促し、福祉避難所の指定を積極的に行うことを要請したところでございます。
厚生労働省といたしましては、今後とも福祉避難所の積極的な活用が図られるよう、地方公共団体に対しまして一層の周知に努めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 是非、どのぐらい整備が進んでいるのかということをより多く情報公開をしていただきながら、これが加速度的に進むように進めていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。